家づくり家づくりの「知っ得」情報6

室内環境(窓・サッシ)

開口部の断熱性・気密性も快適さを左右する大きな要素

住宅で開口部(窓)の果たす役割には、採光、日射、通風、換気、眺望などが挙げられます。一方で、1年を通じて快適な環境を確保するためには、窓の断熱、日射遮蔽、結露対策が欠かせません。住宅の外壁、床、天井、屋根は断熱材によって断熱性能が向上し、隙間を小さくすることによって気密性能が向上しました。今後は窓にも省エネルギー対策として、より高い断熱性と気密性が求められます。

冬の暖房時の熱が開口部から流失する割合:48%

【図】冬の暖房時の熱が開口部から流失する割合は48%

冬は熱の流失を防ぐ

冬に日射を取り入れることは当然ですが、開口部(48%)や外壁(19%)などから熱が逃げていかないようにすることが大切です。その対策として、家全体を断熱材で包んだり開口部には複層・トリプルガラスや断熱サッシを使ったりして熱の流失を防ぐことが重要です。

夏の冷房時(昼)に開口部から熱が入る割合:71%

【図】夏の冷房時(昼)に開口部から熱が入る割合は71%

夏は日射を遮る

古くから日本の住まいは夏の快適な過ごし方を中心に考えられてきました。軒や庇を深くして日射を遮ったり、萱葺き屋根の断熱効果を利用したり、通風を利用したりすることで、夏の暑さを和らげる工夫をしてきました。夏における昼間の冷房中、建物内に入り込む熱量の71%は開口部から入り込むことが分かっています。

そのうち大半は日射により取り込むため、日射遮蔽が重要になってきます。窓の日射遮蔽を考え、冷房負荷を減らすことが求められます。窓の方位、庇の利用、さらに窓を複層・トリプルガラスや断熱サッシにすることで、断熱・遮熱性能を大幅に向上させます。

体感温度 ―壁や床、窓の表面温度を室温に近づける―

室温は低くなくても何となく寒さを感じる場合があります。それは室温(空気温度)と体感温度(人が感じている温度)に大きな差があるからです。体感温度は、窓や壁、床などの表面温度(平均輻射温度)と室温の平均と考えられます。

【体感温度の計算式】体感温度 ≒ (表面温度 + 室温)/ 2

【事例】室温・表面温度と体感温度(盛岡1月)

【図】室温・表面温度と体感温度(盛岡1月):室温が同じ20℃でも、住宅の断熱・気密レベルによって体感温度は異なります。

断熱材が施工されていても丁寧な施工が行われていないと断熱効果は発揮できません。

左図は断熱不良の住宅で、右図は次世代省エネ基準レベルの住宅です。室温が同じ20℃でも、左図の低い断熱レベルの住宅の場合は表面温度が13℃、体感温度は16.5℃でしか感じられませんが、右図の高い断熱レベルを保持した住宅の場合は表面温度が18℃で体感温度は19℃と、ほぼ室温に近い値を出しています。