屋根材

部位特性
粘土を高温焼成したもの。鮮やかな青、赤などの着色にはどのような物質が入っているかわからないため、できるだけ彩色されていないほうがよい。
セメント瓦セメントを固めたもの。耐久性に問題あり。
化粧石綿スレート石綿、セメント、鉱物からなりゼロアスを確認、耐候性はあまりない。
カラー鋼板鋼板に塗装したもの。フッ素加工など耐候性のあるものもある。また、リサイクルの面では断熱材などが付いていないものを選ぶとよい。
ガルバリウム鋼板鋼板にアルミニウムと亜鉛をメッキしたもの。自己修復作用があり耐久性に優れている。
ステンレス耐久性があり、錆びにくく、強度がある。
銅板古くから使われている屋根材で、加工性がよく、アルカリ塩水に腐食されず、酸化皮膜を作る。リサイクル可能な素材。
アスファルトシングル多孔質厚紙、アスファルトの基材に色の付いた鉱物粒を吹き付けたもの。耐久性はよくない。
天然スレート天然石の屋根材。ほとんど輸入品。
緑化植物防水を施した上に植物を植える方法。屋根部の熱を下げ、気候を調整し、照り返しなどを和らげ、断熱にもなる。

外装材

部位特性
漆喰消石灰に水、砂、糊、すさなどを混ぜたもの。下地は土壁、モルタルが主。
珪藻土藻や植物性プランクトンの化石。珪藻土自体には固まる力がないため、凝固剤・つなぎ材に注意が必要。
窯業系サイディング主成分は珪酸カルシウム。施工性は高いが、廃材が多く出る。
金属系サイディングスチール製のものが多く、メンテナンス性がよい。窯業系サイディングより軽い。
木質系サイディング木の板張り。メンテナンスが必要。防火規定の地域に注意。
タイル粘土や石を焼成して作られる。耐久性、防火性、メンテナンス性に優れている。
モルタル吹き付け下地にモルタルを塗り、塗材で仕上げる。弾性塗材。
コンクリート打ち放し型枠を外したコンクリート面のまま仕上げ。撥水剤を塗布することが多い。

床材

部位特性
合板フローリング内装建材の中で面積を占める割合が多いので、選択には注意する。
無垢フローリング無垢材は乾燥により空いたり反るなど伸縮するが、調湿性能があり、例えば柔らかい材質は暖かく肌触りがよい、また廃棄しても土に還るなど、床材としては最適。ただし、それらの効果があるのは無塗装材や天然系塗料を施した場合のみ。
コルクコルクはとても暖かい床材であり、できれば無塗装の生地仕上げと天然ワックス仕上げがお勧め。ただし、コルクの中には塩化ビニルや合成樹脂で表面をコーティングしたものもあり、これらは冷たく、健康にも環境にも負荷のかかるものなので注意すること。
カーペットウールのカーペットでも裏打ち材に注意。ほこりやダニの心配もあり、敷き込みはできるだけ避け、取り外し可能な面積で、外で日干しなどをすること。もし敷き込む場合は、接着剤に注意。
防虫処理していないものを選ぶ。畳表に着色料を使用していないものを選ぶ。畳の下地は湿っていないか、畳の下に防虫剤などの薬剤がまかれていないかをチェックする。金属イオンで表面処理している場合、金属アレルギーの人は使用をやめる。
天然リノリウム亜麻仁油、松ヤニ、コルク、木粉、石炭、天然顔料、ジュートなどの天然素材からできている。減菌、静電気防止などの効果があり体によい床材だが、亜麻仁油などは臭いが強いので、臭いに敏感な人には向かない。
クッションフロアー塩化ビニル製のものは使用しないほうがよい。可塑剤等の添加物の揮発の問題、また廃棄時のダイオキシンの問題など健康と環境に負荷がかかる。どうしてもプラスチック製の床にしたい場合は、ポリオレフィン系のものを選ぶほうがよい。

内装仕上/塗材

塗材特性
珪藻土植物性プランクトンの死骸の化石、七輪や耐火レンガに使用されてきた。掘り出した珪藻土を焼成し、石灰などを混ぜ、壁材にする。多孔質なため、保温、吸放湿、吸音、脱臭に優れている。ただし、最近は接着剤や防カビ剤等に化学物質が使われている場合が多いので注意が必要。
漆喰日本古来の塗り壁材。成分は、石灰、かき灰、砂、糊着剤。
粘土塗料珪藻土・漆喰よりも多孔質な土を原料とする粘土塗料。

内装仕上/壁紙(クロス)

壁紙(クロス)特性
紙クロス用途により工夫する。調湿性を重視する居間・寝室では木片チップを漉き込んだものなどを使用して、水回りなどの汚れの気になる所には、調湿性はないが撥水加工されたものを選ぶことをお勧めする。ただし、双方とも接着剤には注意が必要。
繊維クロス撥水加工、難燃処理、防カビ加工はできるだけ避ける。裏打ち材との接着剤にも注意。布クロスやオーガニックコットンなどを選ぶとよい。
アクリル・オレフィン系クロス塩ビクロスに替わるプラスチック系壁紙。吸放湿性はないが、燃焼時の有毒ガスの発生が少なく、洗面所やトイレの水回りで汚れやすい所に向いている。
無機質壁紙水酸化アルミを主にパイプを混ぜたもの。燃えにくい特性がある。

断熱材

部位特性
天然系断熱材炭化コルク、ウール(羊毛)、セルロースファイバー(新聞紙・古紙)、セルロースウール、フラックス(亜麻の茎)、ハンフ(麻)、発泡ガラス、木繊セメント板、木質軟質繊維板(インシュレーションボード)、木質発泡ボード。
比較的問題の少ない化学系断熱材
高発泡ポリエチレンポリエチレンの問題と製造時の代替フロン(温暖化)の問題あり。
フェノールフォーム炭化水素発泡によりフェノールフォーム樹脂を使用したときより環境の負荷が一層減り、もし燃えたとしても燃え広がることがない。
ポリエステル繊維ペットボトルから再生された100%リサイクルの断熱材。燃焼時も人体に影響のある有毒ガスはほとんど発生しない。

防腐・防蟻剤

防腐・防蟻剤特性
有機リン系薬剤
(ホキシム・フェニトロチオン・ジクロフェチオン・ダイアジノン等)
有機リン系薬剤は、神経に作用し、自律神経失調症、目の障害、ホルモン異常、免疫力の低下、憂鬱などの症状を現す場合がある。
ピレスロイド系薬剤
(ベルメトリン・トラロメトリン・ビフェトリン・アクリナトリン等)
ピレスロイド系薬剤は、有機リン系薬剤よりは少ないが、農薬に変わりないため注意が必要。下痢、眠気、耳鳴り等の症状を起こす場合がある。
その他
(クレオソート油)
クレオソート油は枕木に使用されている木材保存剤。最近、外構で古い枕木を使用している例を多く見かけるが、有害物質が揮発したり臭いも強く、あまり環境によいとはいえない。使用する場合は、面積を考慮する。枕木を使いたい場合は、木酢液などにつけた枕木などを勧めたい。
防蟻剤特性
無農薬の防蟻処理木酢液、ヒバ油、月桃など。
ホウ酸防蟻剤ホウ酸塩でシロアリから木材を守る。水溶性のため、水のかかる所には不向き。
管理型防蟻システム人や動物にはあまり害のない薬剤を土中に埋めて、シロアリに食べさせ死滅させる。

塗料・接着剤

塗料・接着剤特性
塗料有機溶剤系塗料に注意する。水性エマルジョン系塗料に注意する。天然系塗料を使ってみよう。
接着剤有機溶剤系の接着剤は使わない(「火気厳禁」に注意)。環境対応型・無溶剤の接着剤を選ぶ(無溶剤、低臭、無可塑剤)。天然系接着剤を使う。接着剤を使用する部分をなるべく少なくする。